エネルギー科学研究科では、今年度も公開講座を開催します。参加無料・事前予約不要ですので、奮ってご参加ください。

『エネルギー科学の今 ~バイオエネルギーと熱制御~』

開催日時: 令和元年11月9日(土) 13:00~16:00
開催場所: 総合研究8号館 講義室1

スケジュール:
13:00 ~ 13:10 エネルギー科学研究科 研究科長 挨拶
13:10 ~ 13:50 講演1 河本 晴雄 先生 (エネルギー社会・環境科学専攻)
講演題目 「エネルギー・環境問題への挑戦 -森林の役割とバイオエネルギーの可能性-
1970年代のオイルショックでは、石油の枯渇が問題となりました。また、1990年代に入り、地球温暖化問題が危惧されるようになると、大気中の二酸化炭素濃度を増大させる化石資源の使用自体が問題になってきました。このようなエネルギー利用に関連する資源・環境問題の解決に、森林とその産物であるバイオマスが注目されています。森林が1年間に正味固定する二酸化炭素量は実に大気中に存在する二酸化炭素の1割近くにも達します。
またこの時に、世界のエネルギー需要の4-5倍に相当する太陽エネルギーが固定されています。しかしながらこのようなポテンシャルが十分に活用されているとは言い難いです。本講演では、森林の役割とバイオマスのエネルギー利用技術について概説し、その課題と可能性について解説します。
13:55 ~ 14:35 講演1 藤本 仁 先生 (エネルギー応用科学専攻)
講演題目 「熱のコントロール:金属を水で冷やすことの難しさ
資源エネルギーが毎年発行しているエネルギー白書によると、日本で消費されるエネルギーの多くは、最終的に熱エネルギーという形で利用されています。日常生活では、厨房(加熱調理や食材の冷凍・冷蔵保存)、給湯、冷暖房などで熱を利用し、製造業では、様々なプロセスで精密な温度のコントロールが必要とされています。熱のコントロールでは、モノ(固体)の「加熱」や「冷却」が必要になります。「加熱」では、モノの表面に熱いガスを吹き付けたり、電磁波や電気を利用して内部を直接あたためることができます。しかし「冷却」では、モノの内部を直接さます方法がなく、モノの表面から熱を取り除くしかありません。金属材料の製造プロセスでは、高温材料を水で急冷し、ある温度まで下がると、その後はゆっくり冷やすということが必要な場合があります。かさのある材料ではこれが案外難しいことを水の沸騰現象とからめて説明します。
14:35 ~ 15:00 (休憩)
15:00 ~ 16:00 講師を囲んで