エネルギー科学の学理の確立をはかる

高度エネルギー変換

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核融合を中心とする未来型エネルギー技術の研究

国際熱核融合実験炉ITERにより、核融合プラズマを1,000秒以上保持できるようになりますが、核融合炉を実現していくためには、エネルギー取り出しを担うブランケットの開発などの大きな課題が残されています。本研究分野では、核融合を中心とする未来型エネルギー技術について、世界規模で地球環境問題と安定成長の両立を果たす革新的エネルギーとして、システム設計検討、環境・社会影響解析を行います。特にリサイクル型水素エネルギー社会を目指した核融合エネルギー変換プロセスの開発、システム設計、プラント解析を行う一方、技術的側面にとどまらず社会科学的人文科学的視点も含めた経済評価、社会受容性問題、エネルギー政策問題の検討などを行い、国際的視野でエネルギー環境問題に貢献できる 人材の育成を目指しています。

核融合を中心とする未来型エネルギー技術の研究

円筒形慣性静電閉じ込め核融合中性子源の開発

(核融合の閉じ込め方式には磁場を用いるトカマク・ヘリカル、慣性を用いて短時間に反応を起こすレーザー核融合などがありますが、ここではそのいずれでもない、)本研究室では、非常に小さく簡便な装置で実際に核融合反応を起せる、慣性静電閉じ込めについての研究を行っています。これは真空容器内で放電を起こし、そのときに発生するイオンを電位井戸内に閉じ込め、核融合を起こすものです。非常にシンプルな装置で核融合反応を起こすことができるため、発電などはできませんが、中性子源としての応用が期待されています。
IECF装置の研究としては主に球形容器を使った研究が行われていますが、本研究室ではより簡単な構造を持つ円筒形装置による研究をしています。 円筒形装置とすることでイオンの長寿命化が期待でき、また電位配置の自由度も高くなります。 研究は、イオンの寿命の延長と反応率とエネルギー効率の改善を目標に、より低いガス圧での放電維持と大電流化を主眼に進めています。

円筒形慣性静電閉じ込め核融合中性子源の開発

粒子コードによるプラズマシミュレーション

カルフォルニア大学バークレー校で開発された一次元粒子シミュレーションコード(PDS1)を改良し、球形 IECF装置の放電特性を解析しています。 この計算コードは空間1次元・速度2次元で荷電粒子の座標や速度などを求めることができます。さらに、荷電粒子とバックグラウンドガス粒子の間での衝突過程を再現することができます。 実験とシミュレーションの比較により、実験では直接計測できないようなミクロな現象について理解を進め、装置改良を進めることができます。これまでに、本コードを用いた計算により、①中心部付近の電位が数nsという短い周期で振動していること ②低ガス圧においては放電がイオンの中性化と高速中性粒子の再電離のループにより維持されていること ③イオンによる核融合反応が陰極近傍にピークを持つこと などが明らかになってきました。

粒子コードによるプラズマシミュレーション

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