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エネルギー環境学

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大気エアロゾルの性状特性と変質過程の解明および生体影響評価

アジアでは、急速な経済発展に伴い増加している化石燃料燃焼由来の人為起源粒子に加え、バイオマス燃焼による有機炭素粒子や黄砂・花粉などの自然起源粒子が発生しており、それらは変質を受けながら拡散・輸送されていきます。これらは気候変動やヒトの健康に影響をもたらすことから、その性状(組成、光学特性など)や変質過程を明らかにするための観測・室内実験、統計モデルによる発生源推定などを行っています。例えば、化石燃料の燃焼により生成する多環芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons; PAH)は黄砂粒子に付着すると、より有害な化合物(PAH誘導体)へ速やかに化学変化することがわかりました。実際の環境大気におけるPAHやPAH誘導体濃度を計測するとともに、スモッグチャンバーなどを用いた室内反応実験を行い、大気内反応によるPAH誘導体の生成機構等について研究しています。また、それらの生体への影響を評価する研究も行っています。

大気エアロゾル中有害成分の新規測定法開発および観測への応用

大気粒子に含まれる有害化学物質の多くは濃度が極めて低く、その存在量や環境中の振る舞いを明らかにするためには、それらを高感度・高精度で測定する手法が必要です。そこで我々は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)やガスクロマトグラフ-質量分析装置(GC-MS)などを利用した新規測定法の開発に取り組むとともに、自動測器によるブラックカーボン(燃焼の指標)濃度の連続測定などと組み合わせた観測を行っています。また、有害な金属成分の指標として、大気粒子の磁性にも着目しています。これらの実大気観測への応用によって、より詳細な大気環境モニタリングの実現や、これまで見過ごされていた健康リスクの解明が期待されます。

GC-MSによる有害化学物質の分析


実大気中ブラックカーボンの観測

新規ナノ材料を用いた環境の改善ならびに分析手法の開発

人口増加と人類のエネルギー消費活動の活発化に伴い、様々な種類の有機化学物質が環境中に放出されています。これらの化学物質は、地表水や海洋、土壌などに様々なかたちで残留しているだけでなく、エアロゾルとして大気中にも存在し私たちの健康に影響を与えている可能性があります。このような有害化学物質に対する懸念の高まりに対処するためには、それらを処理・除去するための、低エネルギー負荷かつ効率的・効果的な方法を開発することが重要です。金属–有機構造体(Metal-Organic Framework, MOF)や多孔性分子結晶などのナノ材料は、これらの用途に応用することのできる潜在的能力を秘めた候補の一つです。そこでこれらナノ材料を新規に合成するとともに、さまざまな汚染物質の処理・除去に適用するための新たな手法の開発を行います。また、種々のセンサー、フォトスイッチやデバイスとして応用することのできる発光材料の設計ならびに合成を行っています。

新しく合成された有機結晶を用いた揮発性有機化合物(VOC)のセンシング
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