未来のエネルギー社会の構築には、人間・社会・環境の観点からふさわしいシステムのあり方を考究する必要があります。エネルギー情報学分野では、「ITによる新しいエネルギー社会システムの創出」をめざし、ヒューマンインタフェース系の研究や、共生社会のシステム構想に関わる研究に取り組んでいます。
ITによるエネルギーシステムの信頼性・効率性向上のためのシステム開発
エネルギーの安定供給のためには、発電プラント自体の高度化だけでなく、人と機械の間に介在するヒューマンマシンインタフェースの高度化も必要です。本研究では、拡張現実感や各種診断モデル等を応用した新しいエネルギーシステムの開発を目指しています。
主な研究テーマ
- 拡張現実感システムの為の高精度トラッキング技術の開発
- プラント機器保守作業向け拡張現実感システムの開発
- Multilevel Flow Modelsを用いた原子力プラントの異常診断

環境調和型エネルギー推進のためのリスクコミュニケーション手法の提案
リスクマネージメント・リスクコミュニケーションは、21世紀の共生社会の重要課題であり、社会での多角的なリスク概念を解明するとともに効果的なリスク回避のための新しい手法が必要です。本研究では、水素エネルギー等の新エネルギーや高レベル放射性廃棄物を対象に、社会的受容性に関する研究や異なる立場の人達の相互コミュニケーションを推進する新しい手法の提案、評価等を行っています。
主な研究テーマ
- 新エネルギーに対する社会的受容性に関する調査研究
- 高レベル放射性廃棄物処分に関するリスクコミュニケーション

高度情報社会、高齢・少子社会に向けた低環境負荷型の新しいライフスタイルの提案
今世紀は高度情報社会に向かって発展している一方で、高齢・少子社会への加速や地球環境保全のためのエネルギー・環境問題など、大きな社会変革が必要とされています。本研究では、低環境負荷型の新しいライフスタイルの実現をめざして、各種人間行動計測技術の開発や、省エネ行動促進のための新しい手法の提案、評価等を行っています。

主な研究テーマ
- Eye-Sensing Displayを用いた脳機能障害診断システムの開発
- 生体指標計測による人間のプロダクティビティの測定・評価法の研究
- アフェクティブインタフェースを用いた省エネ行動支援システムの開発