森林は1年間で大気中CO2の約10%を固定し、世界1次エネルギー需要の4~5倍もの太陽エネルギーを取り込んでいます。エネルギーエコシステム学分野では、この森林を活用することで化石資源の枯渇や地球温暖化の問題にアプローチします。当分野は農学部森林科学科を兼担しており、森林科学の基盤に有機化学、化学工学、電気工学、社会科学などの視点を取り入れ、基礎から応用に至る研究、教育を進めています。特に着目している研究分野は、分子機構の解明による木質バイオマスの熱分解・ガス化の改変、超臨界流体、プラズマ科学です。
バイオエネルギー
バイオケミカルス
パリ協定の採択を受け、我が国も2050年カーボンニュートラル(人為的な温室効果ガスの排出を2050年までにゼロにする目標)を宣言しました。このような中、CO2排出を減らすだけではなく、むしろ大気から積極的にCO2を除去(ネガティブエミッション)する必要性が急速に議論され始めています。当分野では、1年間に大気中CO2の約10%を固定する森林に着目した炭素隔離の研究を開始しました。例えば、廃木材などを炭化して土壌に隔離するためのバイオ炭の研究を行っています。