エネルギー科学の学理の確立をはかる

機能システム設計

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エレクトロニクス時代をになう電磁気材料の研究

将来のエネルギーや動力をになう核融合炉、太陽電池、リニアモーターカーからマイクロデバイスまで、種々のエネルギー関連施設、電磁機械や構造物、エレクトロニクス機器において電磁気材料が中心的な役割を果たしています。材料の力学的物性、導電性、誘電性、磁性などの電磁物性、あるいはそれらの相互作用の理論的なモデルを確立することによって、より高性能、高効率、信頼性のある構造物や機器を設計することを目指しています。また、材料の種々の機能を統一的に表現できるようなモデルは、新しい材料を開発する指針にもなります。

山梨リニア実験線車両MLX01
(図は山梨リニア実験線車両MLX01)

より知的な材料や傾斜機能材料の設計

機能材料には、熱や電磁気的なエネルギーを力や変形に変えることができるアクチュエータ材料やその逆の作用をするセンサー材料があります。このような材料を応用して、自ら形状を変化し、振動を検知して抑制し、材料内部の欠陥を電磁気的な情報で外部に知らせてくれるような、より知的な材料の開発研究を行っています。また、材料は物性が均一である場合に機能を最も発揮するとは限りません。例えば、エンジンやスペースシャトルの外壁のように、一方では強度、他方では耐熱性が要求される場合には、それらの物性を滑らかに傾斜させてやることにより内部の熱応力を低減し、材料の破損を防止することが可能となります。このような、傾斜機能材料の最適設計も行っています。

材料表面に貼った高分子圧電フィルムが背面の欠陥を電位分布によって示したもの
(図は材料表面に貼った高分子圧電フィルムが背面の欠陥を電位分布によって示したもの)

機械や構造物の安全性を検査する非破壊評価技術の開発

対象物を壊すことなく、その内部の構造や性質を調べることを非破壊評価とよびます。医療用検査や航空機、船舶、車両、発電施設の検査など、人間の健康やさまざまな機器・構造物の安全性や信頼性を確保するために重要な技術です。従来から目視、触診、超音波などが応用されてきましたが、熟練を要し、定量的な測定が困難であるという欠点がありました。材料中の欠陥、疲労、異物、応力などによって、音響的、電磁気的物性がどのように変化するかを精密に予測して、超音波や電磁場を応用した高精度な非破壊評価技術の開発を目指しています。

電磁超音波探触子により内部欠陥を画像化したもの
(図は電磁超音波探触子により内部欠陥を画像化したもの)
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